初めての人


「すごく、好きなんだ…。あの人が」
あれ?僕ってばなんかペラペラ喋りすぎちゃったよ。
トッシーの言葉を待ったけど、返事はなかった。
「トッシー?」
「…なんだ、この格好」
不機嫌そうな声がした。
これってもしかしなくても…。
「俺は今日非番で、屯所にいたはずなんだが…」
記憶を辿るように右手で額を抑えている。
うわっこれ絶対土方さんだ!!
僕が確認のために声をかける寸前、万事屋の玄関が開いた。
「新八―!?トッシーもう帰ったかぁ!?」
「げ、万事屋」
土方さんは嫌な顔をすると荷物を手にとって素早く押入れへと逃げ込んだ。
ついでになぜか僕まで襟首を掴まれて押入れへと連れ込まれた。
「えっと、なんで僕まで…」
「しっ、黙ってろ。てめぇにはまだ事情を聞いてねぇ」
そう土方さんに口を手で塞がれながらすごい目で睨まれた。
僕のせいじゃなにのに…。
僕たちが息を潜めていると、銀さんが居間へと入ってきた。
「あれ?いねぇのか?ははーん、トッシーにどこか付き合わされてんな、新八のやつ。逃げてよかったぁ」
銀さん、この恨みは絶対忘れませんよ…。
そう思いながら視線を動かすと、目の前に土方さんのお尻が見えた。
土方さんは四つんばいになって僕がいる場所とは反対側から銀さんを覗いている。
そのせいで僕にお尻を見せる格好になってるんだけど、これはエロイ。
スカートを短くしてるから、裾からガーターベルトの紐が見えている。
この格好はまるで誘われてるみたいでちょっとヤバイ。
目をそらそうとすればするほど、そちらが気になって目が釘付けになる。
白い肌と黒い下着。
青少年には刺激が強すぎます…。
「…出てったな」
土方さんはそう呟くと、押入れの襖を開けた。
はいずって出て行く様子を見ながら、僕は動けなかった。
「どうした?万事屋また出かけたぞ?」
そう土方さんが声をかけてくれるけど、ちょっとしばらくは動けそうにない。
僕の中心が収まるまでは、まだ無理だ。
「志村?」
体操座りをして固まっている僕に、土方さんが不思議そうに顔を寄せてくる。
やめてください!
余計興奮しちゃいますから!
「あ、あの、離れてください。えと、すぐ収まりますから」
僕がそう言うのと同時にまたがらりと引き戸が開く音がした。
慌てて土方さんが中に入ってくる。
けど、これはまずい。
僕を覗き込んでた場所から入ってきたから土方さんの身体が、僕に密着している。
そして僕の中心は土方さんの手の下だ。
土方さんも気付いたのか、顔を赤くしている。
でも狭い場所に無理やり入ったもんだから、身動きが出来なくて、土方さんは手をどかすことも出来ないみたいだ。
土方さんの手が僕のものを触ってる。
そう考えただけで、また中心が膨らんだ気がする。
「お、おい」
土方さんが戸惑った様子で囁く。
そういわれても僕も切羽詰っていて小声で謝った。
「ごめんなさい。好きな人に触られちゃったら我慢できなくて…」
「え?」
「え?って」
あっ!今日二回目の失言!!
また言っちゃったよ!!
「あの、忘れてください。ホントもう、ごめんなさい」
あまりに恥ずかしくて顔を覆った僕に土方さんが突然艶のある声で囁いてくる。
「お前、俺が好きなの?」
「は、はい」
「俺に抱かれてえってこと?」
「…いえ、どちらかというと」
「抱きてえ?」
「…はい」
「いいぜ。」
「え?」
「今日だけだ。お互いそれで今日のことは忘れようや」
そう言うと土方さんは意思を持って手を動かし始めた。
「ん、」
「はえぇな。もうこんなになってる。もしかして童貞か?」
「はい。」
「…じゃ、やめとくか。初めては女の方が」
「あなたがいいです。」
煽られたまま終わらして欲しくない。
たとえ今日だけだとしても土方さんを僕のものにしたい。
僕はそっとシャツの裾から手を差し入れた。
胸の突起に到達すると先を軽く摘んだ。
「んぁ」
土方さんの甘いときが耳にかかる。
それがたまらなくて何度も何度も摘む。
「ん、んぁ、あ、」
小さく声を漏らしながらも土方さんは僕の物を弄る手を休めない。
弄っていない反対側の手で僕の袴の紐を解くと、袴をずらして着物の合わせから手を差し入れる。
下着越しに刺激を与えられた。
自分の手以外から与えられる刺激は、初めての僕には耐え切れず、思わず吐き出してしまった。
「さすがに若ぇな」
土方さんはそう呟くと僕の下着をずらして濡れた僕自身を口に含んだ。
温かいものに包まれる。
その刺激を受けながら僕は手を伸ばす。
「土方さんのも…」
土方さんは僕の物をいったん口から出しつつ、微笑む。
「俺は前より後ろのがいいんだ。」
「じゃぁ後ろを」
「でも、初めてだろ?」
「教えてください。頑張りますから」
「ふ、そりゃ勉強熱心だな。」
土方さんは妖艶に微笑むと僕の手を取って指を唾液で濡らした。
湿らせた後、僕が吐き出したものも指へと絡ませて僕の指を自分の蕾へと導いた。
ティーバックの紐をどかしつつ、ゆっくりと指を中へと進める。
「ん、あ、こうやって奥に指を入れて解すんだ…。」
「解りました」
僕が遠慮がちに動かし始めると再び僕の物を口に含んで舌で弄び始めた。
さすがに上手くて時折、指が止まってしまう。
それでも奥に奥にと進めて行った。
ある一点を指を掠めたときに、土方さんの身体がビクリと跳ねた。
聞いた事がある。
確か、そのしこりに触るとすごく感じるんだとか…。
僕は再びそれを探す。
周りとは少し違ったしこりをみつけた。
「んぁ!」
そこを掠めるとやはり、感じるらしくて土方さんは思わず僕の物を口から外した。
たぶん、これを触って、慣れさせればいいんだよね?
僕はそのしこりを胸の突起と同様に何度も摘んだり潰したりした。
「あっ!…あっ…あぁ…ん…あぁぁ!」
どれくらいやればいいんだろ?
すごく気持ち良さそうにしてるけど…。
土方さんの膝が震えていた。
そして、黒い小さな下着から飛び出した土方さんの物が先走り液を零れ始めていた。
「あっ!んぁ!や!もう!あぁあぁ!!」
土方さんは一際高い声を上げて白濁を吐き出した。
吐き出す瞬間の土方さんの恍惚とした表情がなんとも卑猥でドキドキする。
それを眺めつつも僕はずっとしこりを触り続けた。
「あ…、もう…っあぁぁ!やめ、あぁ!!」
うーん、わかんないなぁ。
もういいのかなぁ。
僕も結構、つらいんだけどなぁ。
でもさっき一度出したから大丈夫そうかな。
土方さんのここもグチョグチョいいだしてるし、もういい感じのような気もしないでもないけど。
でももう少し解そう。
あ、もしかしてもっとたくさん指を入れて解すのかな。
僕はゆっくりと5本の指を入れて動かした。
「ああああぁ!!や、いた!あぁあん!」
土方さんの蕾はちゃんと開いて僕の指を全て飲み込んでる。
うん、やっぱり、全部入れるんだ。
それで動かせばいいのかな?
5本の指をばらばらに動かした。
そして再びしこりを強く何度も摘む。
「あぁぁぁ!んぁんぁ!もう!いやぁぁ!あぁあ!!」
土方さんがまた白濁を吐き出す。
僕はまたそれに見とれてしまう。
あぁ、だめだ。
ちゃんと解さないと…。
「あぁ!やっ!だめぇ!んぁ!早くっ!あぁぁ、も、早く挿れてぇええ!」
土方さんの目じりから涙がこぼれていた。
あれ?ホントに挿れて大丈夫なのかな?
無理させちゃまずいよね。
やっぱもう少し解そう。
僕ならもう少し我慢できるし。
再び指を動かす。
あ、出し入れしたりして解しといた方がいいのかも、うん。
指を5本軽く抜いて、奥へと入れる。
「あぁぁあ!」
土方さんが身体をびくつかせながら涙を零す。
痛いのかな?
ゆっくりするべき?
「あ、あぁ、…あぁぁあ、いや、なんで?あぁ、も…ぁぁあもっと奥」
あ、奥?
奥まで勢いをつけて入れると、しこりを指を押しつぶし、ついでに何度もこすって摘む。
「んぁああぁ!」
土方さんはまた吐き出した。
三度目だからか、少し疲れたように呼吸が荒い。
やっぱ色っぽいよなぁ、この人。
うっとりとしながら、ずっと指でしこりを触り続ける。
まだかなぁ。
「…はぁはぁ…ぁあ!やだ!いや!もう!しつ、こっ!ぁあ!お願っ!早く、もう、挿れて!ぁあ!んもぅ、頼むからぁ!あぁぁ!やだ!もう!指、とめてぇぇ!」
あれ?なんでだろ。
土方さんが本格的に泣き出してる。
挿れた方がいいのかな?
指をそっと抜くと、土方さんがほうっと小さく吐息を吐いた。
指を抜いた後の蕾はまだ、物足りなそうにピクピクと動いている。
えっと、挿れていいんだよね?
土方さんの細い腰に手を添えると、自分のものを蕾に当てた。
奥に挿れた方が、気持ちいいんだから、一気に奥まで挿れたほうがいいのかな。
腰を掴むと力いっぱい思い切り奥へと突き刺した。
「ぁぁああぁあっ!あっ…、あ…」
挿れた瞬間、また土方さんが白濁を吐き出した。
びくつきながらゆっくりと吐き出した白濁が、少しずつ伝って僕の付け根までたれてきた。
あぁ、これはやばい。
身体の中ってこんなに気持ちいいんだ。
我慢できないかも。
僕は衝動のまま、土方さんの腰を掴んで何度も深く抉るようについた。
「あぁ!あぁ!ま、て、あぁぁ、あぁ!いやっ!」
何度も何度も突いた。
その度に土方さんの内壁が僕の物をこする。
気持ちいい。
「あぁ!ぁああああ!」
土方さんがまた白濁を飛び散らせる。
さすがに液も薄くなり、粘り気がなくなってきた気がする。
こんなに何度も出してくれるなんて、土方さんって感じやすいんだなぁ。
そう思いつつ、僕も自分がいけるように何度も激しく突いた。
「やだぁ…、も…ぁぁ、ああぁ!ぁぁん、や!んぁ、あっぁあ!」
僕にしがみ付きながら土方さんは泣いている。
感じやすい人ってつらいのかなぁ。
でも泣き顔も綺麗。
突きながらそっと唇で涙を拭った。
あれ?そういえば僕ってまだキスしてなくない?
やっぱしておくべきだよね。
でも動きは止めたくないし…。
あ、そっか。
押し倒せばいいのか。
支えていた腰から手を離して狭い押入れの中で、土方さんを横たえた。
その小さな動きにも、土方さんは吐息を漏らして感じてくれる。
土方さんの顔の横に手を置きながら唇を塞ぐ。
そっと舌を差し入れると、土方さんも僕の背に手を回しながら、舌を絡めて答えてくれた。
それを合図に再び腰を奥まで激しく打ち付ける。
「んぅ、ん、んっ!」
息苦しくなったのか、僕の背中に小さく痛みが走る。
引っかかれたみたいだ。
あぁ、コレが男の勲章ってやつなのかな。
そっと唇を離すと、うっとりしたどこか焦点のあっていない土方さんの顔が目に入った。
この顔を僕は一生忘れない。
心に刻みつけながら何度も腰を動かす。
声を出し続けている土方さんは、そろそろ声が掠れてきた。
それがまたいい。
それに煽られてまた、土方さんの腰を掴んで抱き上げた。
「あぁあ…っ!」
やっぱり、座った方が反応がいい気がする。
動かした衝撃で甘い吐息をもらしながら、眉根を寄せた土方さんに僕は思わず見とれた。
いつもの不機嫌そうな眉間の皺じゃない。
それがすごい嬉しい。
再び突き上げると、土方さんはまた果てる。
すごいなぁ。
経験が豊富だと何度でもいけるのかな。
僕なんかまだ1回しかいってないのに…。
んー、でもそろそろいっちゃう気がする。
気持ちよすぎるんだもん。
「も、むり…ぁぁ、ぃや、死んじゃ…、あぁ」
一際奥へ突き上げつつ、耐え切れなくなった僕はとうとう土方さんの中へと吐き出した。
そのとたん、土方さんは気を失ってしまった。
毎回、こんなに感じちゃってたら大変だよなぁ。
あ、後始末とかってどうするんだっけ?
確か、出したもの掻き出すんだよね。
さっきみたいに指入れて掻きだせばいいのかな。
僕は自分のものを抜き取ると、ぐったりとしている土方さんの蕾に指を入れる。
奥まで入っちゃってそうだからなぁ。
えーと…。
もうちょい奥まで。
指を入れると再び土方さんが吐息を漏らした。
気を失ってても感じるんだ。
その顔をじっくりと観察しながら指で吐き出したものを掻き出す。
グチョグチョに濡れた土方さんの身体もタオルで綺麗にしてから、僕ははっと気付いた。
ここ、万事屋の押入れだよね!
掃除しとかなきゃ銀さんに怒られる!
か、換気もしないと!
とりあえず土方さんをソファー移してっと。
引きずりつつ、気を失った土方さんをソファーへと横にさせた。
そして洗面所から雑巾を持ってきて押入れの水拭きをする。
あらかた掃除を終えたところに、土方さんが目覚めた。
「あ、大丈夫ですか?土方さん。そういえば過労で倒れたんですよね?ごめんなさい。無理させちゃって…」
僕が顔を覗き込みながらそう言うと、土方さんは散々泣いたせいで、目元を赤く腫らしながら「詐欺だ…」と掠れた声で囁いた。
「え?何がです?」
「お前、童貞の癖になんで、二度目があんな遅いんだよ…」
「え?普通あんなものでしょ?土方さんが感じすぎなだけだと思いますけど」
「俺は普通だ!しかも前座が超長ぇ」
「いや、よく解した方がいいのかと思って。」
「限度ってもんがあるだろ!?限度ってもんがよ!もうまじ動けねぇ。これ、脱がせろ」
「え!?またするんですか?」
「バカ!隊服に着替えんだよ」
「あ、なるほど」
僕は頷くとスカートに手をやる。
なんだろう、この背徳感は…。
さんざんさっきまですごいことしてたはずなのに…。
「おい?」
「ドキドキしちゃって僕には無理です!」
「今更かよ!」
「よーし。じゃぁ銀さんが脱がしてやる」
そう言いながらどこからともなく銀さんが現れた。
「うわっ!銀さん!?」
「よかったなぁ、新八、脱童貞!しかも最初から土方くんとか銀さん、超羨ましい」
そう言いながら、銀さんは土方さんの身体を起こしつつ、手早くガーターベルトと下着を脱がした。
「うーん、スカートの下がノーパンとかもそそるよなぁ」
ぐったりとソファーの背もたれにうな垂れたままの土方さんに、銀さんはそのスカートを捲る。
「ぎ、銀さん」
「新八、お前もう帰っていいよ。俺が土方くんの面倒みとくし」
「…屯所に送れ」
「え?今日、非番でしょ?まだ今日は始まったばっかりじゃん?」
「…勘弁してくれよ…」
「はい、新八は帰った帰った。」
銀さんは無理やり僕を追い出してくる。
背中を押されながら、僕は土方さんに向かって必死に言った。
「僕、今日のこと忘れませんから!だから、あの、」
土方さんも忘れないで。
その一言がどうしても言えなかった。
「忘れたくても忘れられねぇよ、バカ」
土方さんが普段の笑みを向けながらそう言った。
言いたいこと、通じてたんだ。
良かった。
いつか、銀さんと対等になれたら、土方さんに対してももっと余裕を持って楽しませてあげられるのかな。

                                       END
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