シンガポールの教育システムについて

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シンガポールがトップを独占

TIMSS2019の成績を世界各国で比較してみると、シンガポールが小学校中学校の算数・数学、理科ともにトップを独占していることに気づく。シンガポールはPISA2018においても、全参加国中すべてで2位という結果を残している。

国際数学・理解教育動向調査(TIMSS2019)における成績(小学校)

算数

国/地域(58) 平均得点
シンガポール 625点
香港 602点
韓国 600点
台湾 599点
日本 593点
ロシア 567点
北アイルランド 566点
イングランド 556点
アイルランド 548点
ラトビア 546点

理科

国/地域(58) 平均得点
シンガポール 595点
韓国 588点
ロシア 567点
日本 562点
台湾 558点
フィンランド 555点
ラトビア 542点
ノルウェー 539点
アメリカ 539点
リトアニア 538点

出所:文部科学省「国際数学・理解教育動向調査(TIMSS2019)結果の推移」を基に作成

国際数学・理解教育動向調査(TIMSS2019)における成績(中学校)

算数

国/地域(58) 平均得点
シンガポール 616点
台湾 612点
韓国 607点
日本 594点
香港 578点
ロシア 543点
アイルランド 524点
リトアニア 520点
オーストラリア 517点
ハンガリー 517点

理科

国/地域(58) 平均得点
シンガポール 608点
台湾 574点
日本 570点
韓国 561点
ロシア 543点
フィンランド 543点
リトアニア 534点
ハンガリー 530点
オーストラリア 528点
アイルランド 523点

出所:文部科学省「国際数学・理解教育動向調査(TIMSS2019)結果の推移」を基に作成

シンガポールの小学校と中学校の成績は世界的に高く、国際的な教育ランキングでも上位に位置しています。たとえば、OECDが実施する国際学力調査「PISA(ピサ)」では、シンガポールが数学・読解・科学の3科目すべてでトップを獲得しています。

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国際ランキング

シンガポールの教育システムは、国際ランキングで高い評価を受けています。以下にそのデータを示します。

  • PISA(国際学習到達度調査)ランキング PISAは、OECD(経済協力開発機構)が行う、15歳の生徒を対象に、読解力・数学・科学の3つの分野での学力調査です。2018年に実施されたPISAの結果、シンガポールは数学・読解力・科学の3つの分野で1位を獲得しています。

  • TIMSS(国際数学・理科教育成就度調査)ランキング TIMSSは、国際的な数学・理科教育成就度の比較評価を行う調査で、4年生・8年生を対象に実施されます。2019年に実施されたTIMSSの結果、シンガポールは、4年生の数学で1位、8年生の数学で2位を獲得しています。

  • PIRLS(国際読解力調査)ランキング PIRLSは、国際的な読解力の比較評価を行う調査で、4年生を対象に実施されます。2016年に実施されたPIRLSの結果、シンガポールは1位を獲得しています。

これらの結果からも、シンガポールの教育システムの高い評価がうかがえます。

このような成績の高さには、以下のような理由が挙げられます。

  • 教育に対する国の強い意識:シンガポール政府は教育に対して積極的に投資し、国全体で教育の重要性を認識しています。

  • 厳しい教育制度:シンガポールの教育制度は厳しいもので、学生は幼少期から試験やテストにさらされます。また、教師も高い資格と能力が求められ、厳しい採用試験を通過した者のみが教員として採用されます。

  • 積極的な教育改革:シンガポール政府は常に教育改革に取り組んでおり、最新の教育技術や手法を導入しています。また、STEM(Science, Technology, Engineering, and Mathematics)分野の教育に力を入れるなど、現代に求められるスキルを身につけるための取り組みを進めています。

  • 家庭での学習環境:シンガポールの多くの家庭は、子どもたちが勉強に集中できるような環境を整えています。たとえば、親が家庭教師として勉強をサポートすることが一般的であり、子どもたちがより一層学びを深められるような環境が整っています。

ただし、シンガポールの教育システムには、過剰なストレスやプレッシャーを与えることが指摘されており、教育改革が進められるなかで、よりバランスの取れた教育環境が求められています。

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